2-1【宅建 過去問】意思表示の基礎

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【令和6年-問1】

法律行為に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 営業を許された未成年者が、その営業に関する意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合は、その法律行為は無効である。

(解説)

肢1 ◯

第3条の2 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

民法3条の2は意思無能力の行為を無効としています。

意思無能力者の法律行為は「取消」ではなく「無効」です。取消しだと、取消権が時効消滅する可能性があり、意思無能力者を保護できなくなってしまうからです。

意思無能力に陥る場合、通常は本人に落ち度がありませんので、保護すべき要請が高く、法律行為は「無効」とされています。

本問で受験生が引っかかるとすると、おそらく制限行為能力制度との違いではないでしょうか。

未成年者の行為能力について、民法は以下のとおり定めています。

(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

(未成年者の営業の許可)
第6条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。

本問は未成年者なので、法律行為を行うには法定代理人(親権者)の同意が必要です(5条1項)。もし、同意なく法律行為を行えば、取り消すことができます(5条2項)。

もっとも、本問は営業の許可がなされた未成年者なので、その営業に関する法律行為を有効に行うことができます(6条)。

以上のような条文の理解からすると、本問の法律行為は有効であるようにも思われます。

しかし、意思能力というのは制限行為能力制度(未成年、成年後見、保佐、補助)に優先する制度です。つまり、いくら行為能力があったとしても、意思能力を欠いていれば、法律行為は無効になります。それほど、意思能力を欠く者を保護する要請は高いということです。

意思無能力制度と制限行為能力制度の違いについては、制限行為能力制度の箇所で改めて説明します。

【令和3年10月-問5】

次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

4 意思能力を有しないときに行った不動産の売買契約は、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず効力を有しない。

(解説)

肢4 〇

本問も「後見開始の審判」というワードが出てきているので、制限行為能力制度と意思無能力制度の関係を理解していれば解答を導くことができます。

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