3-1-3 【過去問検討】制限行為能力制度の基本

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【平成28年-問2】

制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

4.被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。

肢4 〇

(解説)

被補助者は制限行為能力者の中でもっとも行為能力が制限されていない者です。ですので、原則すべての法律行為を単独で自由に行うことができますが、特定の法律行為を指定して同意なくして行えないようにすることができます(17条1項)。

そして、同意なくして行った法律行為は取消しの対象となります(17条4項)。

本問は被補助人が補助人の同意なくして法律行為を行っているので、補助人は当該行為を取消すことができるように思えます。

しかし、被補助人は詐術を用いて相手方に補助人の同意があるかのように信じ込ませています。このような被補助人よりも相手方の保護を優先すべきです。

そこで、制限行為能力者が詐術を用いた場合には、保護者は当該法律行為を取消すことができないとされています。

(補助人の同意を要する旨の審判等)
第17条 家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。
 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

(制限行為能力者の詐術)
第21条 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

〇ポイントー制限行為能力者の詐術
詐術による取消制限が問題となるのは、被保佐人だけでなく「制限行為能力者」全員です。したがって、未成年者や成年被後見人などの保護の必要性が高い者であっても、詐術を用いれば取消しはできません。

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